2010年4月21日水曜日

残遺型

統合失調症の厄介なところは、治療を続ける最中に別の症状が現れる事もあるという事です。
精神疾患なので、完全治癒をレントゲン写真や血液検査のデータなどからはっきりと確認する事はできません。
その為、治ったと思ってもまた発症したり、治す途中で治療法があっておらず、ストレスからまったく別の精神疾患を患ったりするケースというケースは少なくないようです。

その中にあって、統合失調症は特にそうしたケースがよく見られます。
分類が多いことからもわかる通り、統合失調症は複数の疾病を抱える事もありえます。
また、その治療の中で、別の分類の統合失調症が発症する事もあるようです。
その例としてよく挙がるのが、「残遺型」と呼ばれるタイプです。

残遺型というのは、緊張型や破瓜型、妄想型といった統合失調症がピークを過ぎ、慢性期を迎えている状態を指します。
大きな波を越え、幻覚や幻聴といった非常にわかりやすい、そして実生活に大きな影響を与える症状が収まり、治ったような状態となっているものの、まだ症状が残っているという状態を残遺型と言います。
症状としては、感情表現の欠落、無気力、思考能力や表情の著しい変化のなさなどが挙げられるようです。
物事に関して無関心な状態が多く見られます。

ただ、こうした状態は、ある意味パーソナリティとして認められる範囲ではあります。
ですので、病気と呼んでいいギリギリのラインと言えるかもしれません。
その為、ある意味統合失調症の後遺症とも言えるような状態ですし、要治療ともいえる状態です。

例えば、大きな出来事によってトラウマを受け、自閉症のような状態になり、それが徐々に改善して日常生活を送れるようになったものの、まだ完全ではなく、感情を表に出す事がなくなった・・という、ドラマなどでよく見られる登場人物は、ある意味残遺型の統合失調症なのかもしれません。

0 件のコメント:

コメントを投稿