2009年8月3日月曜日

神経発達障害仮説、心因仮説など

統合失調症には、いくつかの要因が考えられています。
その中には、神経発達障害が原因なのではないかという考えもあるようです。
人間の身体は、細胞の塊ですよね。
細胞は、毎日数多く死に絶え、同時に生まれています。

それは脳も同じで、神経細胞はどんどん死に絶え、死骸となっています。
その死骸を掃除するのが「グリア細胞」と呼ばれるものですが、統合失調症になると、そのグリア細胞が増えないと言われています。
これが胎児の状態から既に起きているのではないか、というのが「神経発達障害仮説」です。
胎児期に神経発達を妨げる現象が起こり、そこで脳に異常が発生していて、思春期などに統合失調症として発生するのではないか、という説です。

「心因仮説」というものもあります。
これは、そのまま心に問題があるという仮説です。
ですが、精神疾患でありがちな、人間関係や虐待、心的外傷が要因とはされていません。
コミュニケーション能力の問題のようです。
通常、コミュニケーションは言葉で行いますが、言葉をそのまま鵜呑みにせず、行間を読むというのが一般的なコミュニケーションのやり方です。
しかし、それができず、そのままの解釈しか交流が成立しないという人が中にはいます。
この環境を生み出した事こそが、統合失調症の要因では?と考えられているようですね。

また、「前頭葉機能低下仮説」というものもあります。
脳の前頭葉の機能、とりわけワーキングメモリーと呼ばれる部分の能力が十分に働いておらず、話は聞いていても意味を理解できないという状態になっている人が、統合失調症になるのではないか、という説です。

こういった仮設は、全て正しいかもしれません。
複合的な問題が絡み合った結果、統合失調症という病気が発生するのではないでしょうか。
これらの原因が特定されるまでは、まだ時間がかかりそうです。

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