2009年8月15日土曜日

宗教妄想

統合失調症の陽性症状には、「宗教妄想」という分類をされる症状もあります。
これは、誇大妄想に近い、あるいはその中のひとつという分類をされる事もありますが、ここでは独立したひとつの種類として取り扱います。

統合失調症における宗教妄想というのは、簡単にいうと自分を神、もしくはその生まれ変わりであると信じ、それを実際に周りの人に話すというタイプの症状です。
誇大妄想に近いというのは、自分を極限まで誇大しているからですね。

世界は自分を中心に回っている。
自分は世界の救済者である。
来るべき時に備え、自分は神となって自分を信じる民を救う使命がある。
現在の世の中を壊し、新たな楽園を作る。
などといった、漫画などでよく見られがちな思想にふける状態がよく見られます。

また、自身を神と信じるだけでなく、他の何かを神と信じ、その神の為には手段を選ばない状態も宗教妄想といえます。
こういった精神疾患は、度々大きな事件を呼び起こしていました。
一番有名なのは、大きな社会問題ともなったオウム真理教でしょう。

宗教妄想というのは、ある意味最も危険な状態といえます。
宗教にはまるという言葉がありますが、この極限状態がこの宗教妄想です。
厄介なのは、自身、もしくはその宗教に対して、盲目的な状態になっている為、理想実現の為には他者を傷つける事を厭わないという点です。
その為、大きな事件になりやすいという性質があります。

病気の診断に関しては、比較的易しい部類と言えます。
だれでもその異常性には気付くことができるからです。
そして、この宗教妄想は統合失調症の中では多い部類に入ります。
こういう時代だからこそ、多くなっているのかもしれません。

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