2009年8月17日月曜日

注察妄想・追跡妄想

統合失調症の陽性症状は、幻覚を見たり、幻聴を聞いたりするという症状が主にあります。
それらは妄想の部類に入ると言って良いでしょう。
実際に幻覚や幻聴を覚えるというのは、肉体的な問題によって引き起こされるケースもありますが、統合失調症におけるそれらの症状は、肉体的に何ら問題がない場合の妄想が生み出すものなのです。

その中にあって、自分自身をその幻覚や幻聴が追い込むという類の妄想もあります。
それは、「注察妄想」や「追跡妄想」です。
いずれも、統合失調症におけるスタンダードな妄想かと思います

注察妄想というのは、自分が常に監視されているという妄想にとり憑かれている状態の事を指します。
常に誰かに見られているという感覚から、自分を見ている人の幻覚を見ることもあるようです。
これは、被害妄想の一種でもあります。
ただ視線を感じるというだけではなく、実際に見られている状態であると確信し、外を出歩けなくなるという状態が、注察妄想です。

それに対して追跡妄想というのは、常に誰かから追われている状態だという妄想が働いている状態を指します。
幻覚、幻聴によって、それがより一層顕著になる事も多々あるようです。
追跡妄想も、注察妄想と同じく、外を出歩けない状態となります。

こういった症状は、精神的に参っている状態の人にも比較的訪れやすいといえます。
ただ、統合失調症ではない人の場合、そこで気のせいだと割り切ることができます。
一方、統合失調症の人の場合は、精神的にどんどん追い込まれ、自分が何者かから命を狙われているという認識で支配され、それを純然たる事実として他者に話したり、一切の交流を遮断するという方向に流れていってしまいます。

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