2009年8月7日金曜日

緊張型

統合失調症と一言で言っても、その分類は結構多いのですが、その中には日本では多い症例のものもあれば、極めて少ないものもあります。
緊張型と呼ばれるものは、統合失調症の中にあって日本ではかなり少ない部類に入る病気です。

緊張型は、20歳前後の方がよく発症する統合失調症のひとつで、近年ではかなり稀なケースと言われています。
現代においては、環境的にあまり緊張型の原因となるものが多くないという事なのでしょう。

緊張型の特徴は、所謂突発性の感情暴発です。
つまり、いきなり理由もなく興奮し、怒号を発し、情緒不安定になるというタイプの統合失調症という事になります。
発症の状態が非常にコロコロと変化するのも特徴のひとつで、一日単位で変わっていくので、周りの人にとってはかなり接する事が困難と言えます。
ただ、緊張型は統合失調症の中では軽度のものとも言われており、数ヶ月で治るケースも多いようです。
あまりに長期的に症状が続く場合は人格崩壊の恐れもありますが、近年ではそういうケースは稀だそうです。

これだけを見ると、ただ情緒不安定で感情の起伏が激しい人との区別が付きにくい病気のように思われますが、実際の統合失調症の患者の場合は、興奮した際に通常とは違う挙動を見せます。
例えば、同じ姿勢を継続し、昏迷状態に陥って、回りの声に反応を示さなくなるといった状態になったりします。
意識はあるようなので、実際には聞こえているようなのですが、同じ体勢のまま固まって動かないそうです。
この状態の時に心無い言葉を患者に浴びせると、それを患者は認識し、心の傷となる事も多いようですね。

緊張型の統合失調症は、現在ではあまり見られない病気ではありますが、周りの理解が比較的難しい病気と言えます。

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