2009年8月24日月曜日

統合失調症の心理療法

統合失調症における一番スタンダードな治療法は薬物療法ですが、薬だけでは治らないケースも多いとされています。
特に、陰性症状の場合は薬だけで治療という事はほとんどなく、別の方法と併用して行われます。
心理療法もその中のひとつです。

統合失調症の場合、薬に対して非常に大きな嫌悪感を抱く人も多く、また、自分が精神疾患であると認められない人も多いようです。
そういった人たちに対し、まず「貴方は統合失調症である」という事を認識させ、治療が必要なのだという事をわかってもらうことが必要なのですが、この際に心理療法が用いられます。

心理療法というのは、いわゆるセラピーに近いものです。
精神面の回復を図る為、様々な試みを用いて患者をリラックス、安心させる事を主な目的としています。
統合失調症においては、自閉、人を信じられない、過敏性など、精神面での問題がかなり重複します。
これをひとつひとつ解きほぐし、少しずつ治療していくのが、心理療法なのです。

心理療法によって自分が病気であると自覚した患者は、ほとんどの人がその病気を治したいと思います。
そうなると、だいぶ治療は進みやすくなります。
薬も素直に服用し、社会復帰の為に必要なトレーニングもこなすようになります。
そうなる為には、心理療法における先生と患者の信頼関係が必要です。
心理療法は、信頼を築く事が何より重要なのです。

正常な状態の人と信頼関係を築くのでさえ難しい中、自閉などの症状に陥っている人との信頼を築くというのは、甚だ困難ですが、それを可能とするのが統合失調症の治療の為にこれまで培われてきた研究であると言えます。

0 件のコメント:

コメントを投稿