2009年8月26日水曜日

統合失調症という病気

統合失調症という病名を御存知の方が、果たしてどれくらいおられるでしょうか。
恐らくはあまりいないのではないかと思います。
というのも、この病名はつい最近生まれたものだからです。
2002年までは、統合失調症ではなく「精神分裂病」と呼ばれていました。
この「精神分裂病」という病名は、聞いたことがある方が多いのではないでしょうか。

精神分裂病という呼ばれ方をしなくなり、統合失調症という病名になってまだ10年も経っていないので、名前自体にはあまり知名度がない状態ですが、その症状に関しては、既に明治時代から認知されていました。
ただ、精神分裂病という名称は、あまり好ましく思われていなかったようです。
精神が分裂するというこの病名は、普段私たちが使う意味での精神ではなく、医学用語としての精神を意味します。
にも拘らず、精神という言葉を日常で使う方の認識で私たちは理解しますよね。
その為、病名と実際の病気との間に認識の剥離が生まれてしまいました。
そういったこともあり、2002年にようやく名称が変わったのです。

この病名が変更になった背景には、病気そのものへの偏見、あるいは蔑視といったものが少なからず含まれていた事もあります。
現代の世界において、精神疾患はだいぶ見直されてきてはいますが、やはりまだ完全とはいえず、偏見の目はまだ数多く残っています。
統合失調症で苦しんでいる方の多くは、病気自体だけでなく、そういう環境に悩まされているという事を、是非多くの人に認識して欲しいところです。

0 件のコメント:

コメントを投稿